春の「苦み」で胃腸に刺激を!

味覚は、「甘味、苦味、塩味、酸味、うま味」の五つの味で
構成されており、この味を感知しているのは舌です。
健康な舌の表面には、味を感知する「味蕾(みらい)」という小さな器官が
7千~1万個存在しています。
1つの味蕾で、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味の全てを感じ、味蕾で感知した味は
神経を介して脳に伝えられます。
味蕾は「亜鉛」の働きにより、7~10日間で新しい細胞と入れ替わる、新陳代謝が非常に
活発な器官です。

味覚に異常を来すと、毎日の食事の楽しみが損なわれるだけでなく
食欲がなくなり、体力や抵抗力の低下につながります。
また、味がわからなくなることで塩分や糖分を摂り過ぎてしまい
「高血圧」や「糖尿病」などの生活習慣病を悪化させることもあります。
味を感じるのは健康に重要な役割があるのです。
◎「亜鉛」が足りないのかも?
味覚の異常の多くは、亜鉛不足により、味を感知する味蕾の数が減少することによって
起こると言われています。
①偏った食生活
亜鉛は体内で合成されないため、食品から摂取する必要があります。
②薬の副作用
亜鉛は様々な薬の作用で体外に排泄されてしまうことがあります。
③疾患によるもの
貧血、消化器疾患、糖尿病、肝臓病、腎臓病などがあると、亜鉛不足になりやすいと
言われています。
◎年齢の影響かも?
味蕾は年齢と共に数が減少してくるため、高齢になると味覚が衰えてきます。
亜鉛を多く含む食品をとりましょう
亜鉛は牛肉、レバー、乳製品、牡蠣、いわし、うなぎ、しいたけ、海藻類、緑茶などに
多く含まれています。

もともと酸味は、主に腐敗物などの危険な食べ物を認識するためで、
苦味は食べ物の中に毒が含まれている、と認識するための感覚であると
いわれています。
どちらも、危険信号として感じる味です。そのため、食経験の少ない子供は
酸っぱいものや苦い食べ物を嫌う傾向があり、本能が危険と判断しているようです。

春は苦味が強い山菜が多くあります。
苦味を食べることで冬から春へと体を目覚めさせる働きと、適度の苦味で
胃を刺激して、胃酸や消化酵素の分泌を促す働きがあるそうです。
先人たちは、体が欲しているものを自然に選んで来たということです。
