体温は健康状態のバロメーター
人の体は、場所によって温度が違い、体温は、体の中心に近づくほど高くて、安定しています。
手足の末梢や顔の表面の温度は、季節や環境の影響を受けやすいため安定していません。
一方、中枢(核心)と呼ばれている体の内部の温度は、脳や心臓などの大切な臓器の働きを保つために安定していて、「中枢(核心)温」といいます。
体温には、年齢による差があり、子どもはやや高く、高齢者はやや低めです。
また、乳幼児は熱産生が活発ですが、体温調節機能がまだ十分に発達していないため、熱放散がうまくゆかず、日常生活でも体温が高めの傾向があります。
1日の中で体温は変動する
朝・昼・夜と、24時間単位に体温が変化する体温リズム(概日リズム)があります。1日のうちで早朝が最も低く、次第に上がり夕方に最も高くなります。さらに、熱が出る病気にかかっていなくても、運動、時間、気温、食事、睡眠、女性の性周期、感情などにより変動します。
このように、さまざまな条件の違い、計る部位でも体温は違うので、時間を決めて平熱を把握することが、体調管理に大きく役立ちます。
どんな体温計を使っていますか?
より体内の温度が反映され、体に負担をかけずに簡単に検温できる部位として、ワキ、口(舌下)、耳(耳内)、直腸などの場所が用いられています。
○腋下体温計(脇の下)タイプは、汗をふき取って、しっかり挟みこんで計りましょう。
○舌下体温計(口の中)タイプは、舌の裏側に押しつけるようにして計ります。
○直腸体温計(肛門内)タイプは肛門に挿入して検温するもので、乳幼児や全身麻酔を施した手術中の患者の体温を測るときなどにも活用されています。
○耳内体温計(鼓膜近く)タイプは、鼓膜周辺の赤外線を検知して計ります。〔赤外線を使っておでこに当てて計るタイプもあります〕
それぞれ計測時に注意することがありますので、説明書を読んで正しく計り、ご自身やご家族の平熱を知っておきましょう。
体はなぜ発熱する?
◇風邪などのウイルスは低温のほうが繁殖しやすい性質があるため、発熱して抑制しています。
◇発熱することで、白血球の働きが活発になり、機能が促進されたり、免疫機能が高まるからと考えられています。
発熱することで体を守っているのです。