感動で脳に刺激を!

記憶の「書き込み」と「引き出し」
「最近、物忘れが多くなったなぁ」と思っていませんか? 多くの人は、物忘れが増えたことで脳の老化を感じますが、この物忘れというのは加齢による記憶力の低下というよりも「記憶を引き出せなくなった」ことが主な原因なのです。

では、なぜ年をとると記憶が引き出しにくくなるのか? それは仕事の幅が広がったり、人生経験を積んだりして書き込む情報が多くなりそのぶん引き出すのが困難になるからなのです。

実は、人間の記憶力自体は年をとってもあまり変わらないといわれています。では、なぜ記憶力が落ちてきたと感じるかというと、それは「記憶の書き込み」がうまくいかなくなってきたからです。

◎感動で記憶する
記憶がうまく書き込まれるのは「感動や理解を伴っているとき」と言われています。若いころは、会社で新しいことを学んだり、経験したりすると「すごい」とか「なるほど」という感情が伴うので書き込みがうまくいきます。

それが年をとって、様々な経験をすると、何を聞いても「それ、聞いたことあるな」という姿勢になり、感動もなくなって書き込みが、うまくいかなくなります。

◎感動は脳と体に良い影響を与える
感極まって涙するような感動をすると、情動の中核である大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)が刺激され、大脳の新皮質、特に前頭葉の領域の血流量が著しく増加することが知られています。同時に体をリラックスさせる副交感神経が優位になり、しばらく脱力感が押し寄せジーンと体がしびれるような状態になることがわかっています。感動することは記憶力だけでなく、体全体に良い影響を与えますので、日ごろからどんなささいな事でも感動癖をつけておきましょう。

◇ナビに任せるのはもったいない
脳の中で記憶を司る「海馬」を鍛える方法をご紹介します。
海馬は記憶に関係するだけでなく、空間認知にも関わり、自分のいる場所や空間を把握したり、目的地に達するための道順を頭に描いたりするときにも、海馬を使っていて、場所、空間の情報をたくさん使う人ほど海馬が発達しているというデータもあります。

海馬を積極的に鍛えるためには、いろいろなところに出かけると良いのですがそこに行くために、地図ナビゲーションに目的地を入れて、その案内通りに進んでも海馬を鍛えることにはなりません。

地図で自分のいる場所と目的地へのルートを描いて移動してみること。間違えたら、戻るのか違う道を選ぶのかを考えることも海馬を使うことになります。無理に遠くへ旅行する必要はありません。普段歩かないルートを歩いてみるとか、いつもの街でも行ったことのないエリアを散歩するだけでも海馬を使うことになります。
2025年09月12日