歯と歯ぐきで健康

歯周病と認知症の関係
噛む行為は、脳神経と密接に関わり、頭の働きを良くします。噛むことによる刺激が、学習能力に関連する脳内物質であるアセチルコリンを増やすためです。
歯周病で歯が抜けてしまうと噛めなくなり、その結果認知症も進むと考えられています。実際にアルツハイマー型認知症の人は健康な人に比べて歯が少ないという報告もされています。

歯周病


歯周病とは?
歯周病は歯についた汚れ(プラーク)が原因で、歯肉(歯ぐき)に炎症が起こり、歯を支えている歯根膜(しこんまく)や歯槽骨(しそうこつ)などの歯周組織が破壊されてしまう病気です。

歯周病


歯周病の第一段階は「歯肉炎」で、不十分な歯磨きでたまった汚れが原因で歯周病菌が繁殖し、歯肉に炎症を起こすこと。
そして歯と歯肉の溝が炎症によってどんどん深くなり、増殖した歯周病菌が入りこみ、歯根膜や歯槽骨を破壊していきます。この状態が「歯周炎」で、進行するほど歯肉が下がり、最後には歯周組織が歯を支えられなくなり歯が抜け落ちてしまいます。

全身の健康に影響する歯周病
歯周病菌は血管や気管から体の中に入りこんで体内をめぐり、さまざまな病気のリスクを高めます。
◇動脈硬化
歯肉の血管から歯周病菌が血中に入りこむと、菌が血管壁に付着します。すると体は免疫反応を起こして、異物を取りこむ物質であるマクロファージが集まり、その結果脂肪が蓄積されていきます。すると血管壁が厚くなって血流が悪くなります。厚くなった部分がはがれて末梢の血管を詰まらせ、それが脳で起こると脳梗塞、心臓なら心筋梗塞となります。

◇糖尿病
糖尿病の人は免疫力が低下しているため、炎症が起こりやすく、歯周病を悪化させます。逆に、歯周病の人は炎症によって出される炎症性物質がインスリンの働きを低下させると言われており、インスリンが働かないと血糖を下げることができず糖尿病が悪化し、さらにそれによって歯周病も悪化するという悪循環に陥ってしまいます。

◇肺炎
細菌が肺に入って感染すると肺炎を起こし、死に至ることも。特に高齢者や寝たきりの人は飲みこむ力が衰えているので、誤嚥性肺炎の危険が高まります。

顎関節症や首こりへの影響
歯周病で口内の状態が悪いことから、顎関節症や首コリを引き起こしたり、その逆の場合もありますので、定期的な検査をオススメします。

虫歯


体は影響し合っていますので、いつも体を良い状態に保つ努力をしておきましょう!

2024年05月31日